訪れない理由2011年03月02日 17時18分45秒

雨に煙る田舎の風景
西の町に出かけました。用事があったのでとにもかくにもいかなければならなかったわけです。そして、ついでに写真を撮っておこうと思ったのですが、雨模様というだけでなく、カメラに収めたい、と思うような風景も光景もありませんでした。これはいつもこの町にいて思うことです。その途中の車窓からの風景などはそれなりにいいなと感じることはあるのですが、ことこの町の中ではそんな感覚を覚えたことが無かったのです。

どうしてそうなのか、帰りに思い当たりました。単に魅力が無いというのではなく、その町並みや建物、造りや居並ぶ事物に特徴が無いだけでなく、何よりも、小綺麗さとか、美しさ、はっとするような印象を全く見いだせないのです。ごく一部に昔ながらの家並みなどはあるにはあるのですが、それとて、取り立てて魅力的な歴史を感じさせはしません。ああ、ここは本当の、古き姿だな、とか、彩りの豊かな環境だな、とか、温かさや懐かしさ、そういったものを醸し出すことすらないのです。

少し離れると田舎らしい風景が残っています。そこで初めて、ちょっとカメラに手が伸びるのです。でも中心的な市街地を眺めてもその単調さと単色に近い色、まだ春の手前とはいえ生きた形や歩みをほとんど感じさせない環境に、他の人はどう思うのか、感じるのかわかりませんが、私はこの町を外にいて訪れたい、そんな気持ちにはなりません。何らかの必要ややむを得ない理由以外、足を運ぶ理由を見いだせません。住んでいる人たちはあまりに感性も感覚も感受性もなさ過ぎます。かつての藩の中心地だったとは到底思えません。