何を守るのか2008年10月16日 21時12分50秒

ノビタキのメス
写真は西日の中のノビタキのメスです。完全な逆光ですが、腹は橙で目尻には何もなく、眼は大きめで草の茎に2本足でとまり移る様子は春のノビタキのそれと同じです。そんな、開けた田んぼの畦の草は乾いて輝いていました。2羽だけでしたが、秋もまっただ中、こんな一見何気ない何と言うこともない風景を、しかしながら、守りたいものです。でももっと、守らねばならないはずだったものを公務員は考え違いをしたのではなく、明らかに意図的にしかも力でもって無理矢理、奪いました。大阪府の、保育園の圃場を踏みにじり、勝手に裁判所の裁定を待たずに「強制収用」をやったのです。

本当に、公共の福祉にかなうことだったでしょうか。第二京阪道路の予定地だからという理由だけで、子供達の貴重な汗とささやかな楽しみと小さな夢を壊したのです。自身、弁護士でもあり子供を持つ親でもある橋下徹府知事はそれを正当化しました。最初に道路建設ありきで周辺の環境どころか、真下の大切な土と緑と命の元を平然と奪う彼ら公務員には基本的な態度や視点以前の心が欠けています。また、道路建設自体、必然性と将来に対する見込みや予測、影響、合理性は見えません。今からでも、止める、何もしない、という選択肢を検討すべきです。いったい、誰のための建設、道路なのでしょうか。小さな子ども達の涙を直に見ても彼らは何も感じなかったのでしょうか。

過ちをしでかし、その穴埋めをもくろみ、自らを守らんがために更に酷い行為や作為に走る者たちも数多くいます。そして更に悪いのは、はじめから誤りだとわかっていても無理矢理、しゃにむに押し通す、突き進むことにためらいを感じない連中です。逆らえない、とはよく言う、言われる決まり文句で逃げ口上ですが、本当に認識しているならそんな下手ないいわけなどせず、人間らしく、はっきりと権力や命令にあらがい、拒絶すべきでしょう。そういった姿勢こそ、暴力や横暴を許し、蔓延らせ、社会をつぶしてしまうのです。正当性など、かけらもありません。公務員はその職務を考え違いせず、その地域と住民をこそ守る、その基本的な立場において強欲な利益や目的追求に走ることを戒めるどころか、拒まなければなりません。誰のために仕事をしているのか、今一度、顧みることです。

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