先を見据えよ(円、輸出、TPP)2011年10月27日 10時55分26秒

相変わらずの橋脚工事
安住財務省の会見を見て、なんと愚かな政治家か、と慨嘆するところです。実際に、その『断固とした』市場介入の効果が過去に、とくに近年、あったでしょうか。ごく一時的に「円安」にふれてもすぐにその反対になりました。そんなことを繰り返しても実質経済に何の影響もありません。また、大企業だけでなく、中小の企業まで、ただ輸出のため、つまり価格競争のゆえに自国の通貨の価値を「下げる」ことを望むのです。あまりに愚かな考えです。TPPは結局、自国の産業を破壊し、最も大切な食の安全さえ奪うのです。

ただ他国が参加し一体化した経済圏での単価競争に並ぶことは産業構造や経済社会の新しい枠組みを創るのではなく単に影響力を持つ企業や産業の強大なところが得をする仕組みのごり押しにすぎません。そして、現実にさえ、どこの国が自国の通貨の価値の低さを喜ぶのでしょうか。変えるべきは、『断固とした』政策でしょうし、その社会の仕組みの大転換です。多くの識者や賢者が述べたり書いたりしているように、この大震災と気候の大きな転換期になすべきは過去への拘泥や現状の構造ややり方の保持とそのままの引き上げではありません。

政治家たちや各界の指導者・先導者たち、あるいはその予備軍に求められるのはその先見性と展望ですし、それらに基づいた揺るぎない方策や構築です。先を見通す目のない「近視眼的な」彼らなら、もう日本に必要ありません。自らの誤りに気づかず、過ちを繰り返すことこそ、愚か、と呼ぶのです。