貧すれば鈍す2011年02月25日 17時07分25秒

昇降口
貧しさというのは覆い隠すことはできないものです。お金に汲々としてなんでもそのためにはやっていい、そんな姿を目にするのは悲しいものです。そのひとつの形がこの写真のような、土木工事・道路工事の無残なやり方です。あんな山の斜面にまで道を無理矢理つけようとして、まあ、やること。急斜面にやみくもに昇降口をちょうどジェットコースターなどののぼりに使われる方式で取り付けているのです。醜さ以外の無いものでもありません。

住宅地や田畑のある平野部ならそうでもない工事を遮二無二山肌を切り崩してやろうというのです。そうまでして造らなければならない自動車専用道路でしょうか。それで県外の人たちを呼び込めると信じているのでしょうか。私は懐疑的です。そもそも、遠くの人たちがわざわざやってくるのは、自分たちの居住地や周辺にはない魅力的な環境や催し、暮らしや風物があるからです。でもそのアクセスのためにその環境を破壊するなど、本末転倒でしょう。するべきは、不便さをこそ売りにして、もっと公共交通機関や地域の輸送手段の工夫で、こうやって暮らしている、ああやっていかなければいけない、それでもやってきた甲斐があった、そんな魅力を高めることです。美しさや残されるべき古さとか豊かな本来の田舎の姿こそ大切にしてそれでいて住みやすい環境を構築することなのです。

直裁的で即物的で近視眼的なことしか頭に無い、そんな貧しい精神では誰もよってはきません。必要なのは貧するならなおさら、心の豊かさに結びつく精神的な自立と独立を志向した生きた環境を求める気概です。鈍してはなりますまい。そんなことを考えさせられる象徴的な光景でした。