何を信じるか2010年12月15日 09時04分48秒

絶たれた航跡
冬の空は変わりやすく、様々な雲がその美と動きを競っています。寒さと冷たさの中にもそんな光景を見つめ、何かを見つけるという楽しみがあります。今日はそのひとつで、飛行機雲が上空の寒風か何かでスパッと断ち切られた姿です。これはどこか、人間社会の一面を見せてくれているようにさえ思われます。

私たちはそんな移ろいやすい空気の運動にも似て、不確かで不安定な関係に生きています。それゆえ、音声としてのことばにはあまり信をおきません。信じやすいひとは簡単に信じ込みますが、いい加減なことばや繰り返しことばにそれほどの真実はないのです。ましてや、意味を成さない単語や発声、一見(一聞)センテンスになっているようで実際には何にも日本語としての意味合いを持たないものなど、訳のわからない音声の方が多いのです。

私たちがほんとうに信じるのはことばではなく、その発話者である人間です。その人がほんとうに信頼するに足る人物なのか、それを見極める必要があります。上っ面だけのきれいなことばや巧みな言い回し、その裏の狡猾な意図を隠した振る舞いなど、よく観察すればその人が真に人間として話をすることさえできる者かどうかも感じ取ることができるのです。ですから、私たちは直接、接して(もちろん、その必要がある場合のみ)じっくりと考えて聞いていいのかどうかを自分自身の頭で考えて判断していかなければなりません。

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