チェルノブイリ事故20年2006年04月26日 21時09分57秒

史上最悪の原子力事故から20年目でもなお、彼の地の放射能は消えず、それ以上に、その影響は将来にわたって消えない、その恐ろしさを改めて知るこの日です。先日も、NHKで特集を組み、旧ソ連から現在のロシア・ベラルーシ・ウクライナの状況を伝えていました。不幸だった、ではすまされない現実をテレビ画面とはいえ、目の当たりにするとき、たとえば、IAEAなどのごまかしや覆い隠しや責任転嫁とさえ言えることばを知ると、とりわけ住民の言いしれぬ災禍を増幅して受容することになるのです。

原子力に携わる者なら、百も承知のことの最初の一つとして、放射性物質の放射能は決して消えることはなく、その放射線は永久に放出されつづける、という事実があります。チェルノブイリの原子炉一つでさえ、現実の放射能汚染は長期にわたり続くのです。測定し、確認し得た核種でも、その半減期から問題ないレベルまで減衰するまでには、それ以前に障害を受けた人々はなくなってしまいます。救いようがないのです。

ましてや、日本国内でも55基もの原子炉が存在し、日夜放射性物質を作り続けているのです。高レベル廃棄物の地中処分がどうのと盛んに喧伝しまだ原子力発電を無理矢理継続的に行おうとしていますが、限りある地中、つまり「埋葬」地は限度があり、しかも、その放射能はチェルノブイリの比ではなくなります。これもまた、原子力に携わったなら、百も承知のはずです。一日も早く、原子力利用を全面停止させ、これ以上の放射性物質を作らず、残さず、増やさないことです。だれもが、この日を機会に、目を見開いてほしいと思います。