未整備 ― 2005年06月01日 19時16分48秒
中世の歴史遺産としての城趾のある小山、通称城山に久しぶりにいってき
ました。麓のお寺(安寿寺)からの急斜面を登るのは、中世の百姓足軽に
でもなった気分で妙におもしろいのですが、この道は、それこそ、400年以上
、いえ、500年にもなるかもしれない古い道ながら、この城趾を観光スポット
にともくろんでいる連中からすれば、「未整備」な道なのです。実際、這い上
がるのはよじ登るに近く、なかなか骨の折れる急坂です。それでも、いえ、
だからこそ、歩き甲斐、登り甲斐があるわけで、そこに私たち自身が中世に
思いをはせる機会を得るのです。
出城の土塁跡をすぎると、もう一つの、こんどは館跡からの本道と出合いま すが、そこはもう、コンクリートの横木と止め木、いえ、木ではないのですが 、その下地はこともあろうに、砂利を運び上げて敷いてありました。もう、台 無しですね。ここで歴史と文化を感じる歩みは遮断されてしまいました。
表向きは山肌が入山者によって荒らされないよう、また当然ながら(何が ?)歩きやすいように造られたのですが、これは本筋からかけ離れてしま います。掘り割りからまた元の山道ですが、これもいつまでか、と心配され ます。果たして、もくろみ通り、ここは観光の目玉になるのでしょうか。わたし はもちろん、静かな城跡であり続けてほしいと願います。かつての強者ども や住民の必死の籠城と戦のあとを後世に伝えるにはやはり、そのままで あることこそ出発点だからです。それに、ここは祖先のちょっとした誇りでも あるからです。コメント
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