黙示録2010年02月23日 20時02分29秒

蠢く恐怖の館
今日の外仕事は少し離れた半島の先になりました。私個人的には初めての場所であり、特異な印象を抱かせたところとなりました。天候の良さは好適で幸いしましたが、この海浜の美しさと静けさはどこか不気味でさえあったのです。それにしても青い空と海。とてもきれいな砂浜。奥まっていてそれでいて開けた環境。どれもここはほかとは違う、そんな場所です。

写真は携帯でしたのでいまいちですが、その不気味さをよく伝えてくれているのではないかと信じます。『後は県と市の承認待ち』という世によく知られた物騒な発電施設です。地元住民は最初は一枚岩ではなかったのですが、地区の存続と将来をかけて推進に動いたとか。でもその恐ろしさはそのモスクにも似た、あるいはギリシャ正教会の建物にもどこか似ている、そんなお椀の中にあります。その過去の事故はその試験さえ止めてしまいました。

封印されたなら、それでそのままにしておいてもいいのではないのか、とその周辺域の危険な施設を併せ持つ広い意味の地元民の一人としても感じるところは大きく、またその運転・実験再開に向けてのきな臭さとしゃにむさを強く憂えているところです。とても、文殊の知恵があるとは思えない愚かな国策の推進の象徴となっているこの「発電所」はまさに未来を物語るものといえるのかもしれません。

トヨタの今日2010年02月25日 19時08分11秒

米議会でのトヨタの社長の対応をNHKニュースでみました。後で記者が解説していたように、現実的には危うい態度だったといわざるを得ません。あれでアメリカの議会、いえ、議員たちが納得していたはずもなく、選挙前とはいうものの、肝心なことを答えていない、その点で真摯さに欠けていたのではないか、との指摘は当を得ています。記者の言い方は控えめで婉曲的でしたが、NHKの人たちはそれをわかっていたからこそだったのでしょう。

国内では締め付けばかりが目立ちます。疲弊する経済状況において、とりわけ中小の関連産業でのかつかつのやりくりにどうしても目がいきます。その上のトヨタ自身の人間疎外の雇用策や使い捨てと手前勝手な使用など、信頼は足下でも揺らいでいます。何より、日本の社会にとって利益になるような生産を行っていないと思えるからです。

始めから欠陥はなかった、何も基本的に悪くない、でもそれでは何も進まないし、何よりも何も見えてきません。トヨタのリコールに至る経緯、上がってきた声に対する対応にそれが現れています。本来あるべき仕組みが見えてきません。またその仕組み・構造も何でも言える形でなければ何も為し得ないでしょう。

一方で、一般社会においては、身勝手な思い込みや一方的な決めつけ、強圧的で抑圧的な態度と行為言動、そういった有形無形のゆがみやねじ曲がった利己的な振る舞いは上から下まで浸透しているかのようです。そのために犠牲になるのはいつも弱い人たちです。トヨタに代表される企業社会とそれに裏打ちされてきたこの社会はまだその克服と新たな構築に向かっていません。なにより、そういった行いや発想が大手を振るってまかり通っている現状こそ、私たちの周囲から直してゆかねばなりません。その積み重ねや変革が経済をも変えうると信じます。