この社会を覆う曇り空2006年05月17日 19時07分31秒

原子炉の一つ
南寄りの風の中、空全体は雲に覆われ、ちょうど、物事の真実が隠され続けている日本の社会のようにどんよりとして生暖かい朝でした。どこか、私たちの社会は事実を真正面から捉え、真実を見つめよう、見いだしていこうという姿勢や態度に欠けているように思えてなりません。どこか、怖がっている、というか、腰を引いて、極力避けているのです。そして、ときに批判的なことを言い出すとそれをよってたかって非難するか、相手にしないかのどちらかが多いのです。

イギリスBBCは今朝、つまり、彼の地ではきのう夜のニュースでブレア首相が原子力発電を再度新規継続しようと意図していることを伝えて、その中で第一に、新規建設を止め段階的に廃炉にしていく計画の理由として、廃棄物問題を挙げ、第二にコスト、第三にテロの危険を示していましたが、このような当たり前とでも言える視点や課題がこの我々の社会ではなおざりにされているように思われます。安全性は強調されても、現実には事故は起こっており、起きて酷いことになる可能性はほかの発電とは比較にならないほど大きく、CO2の少なさも発電のための熱源の問題であり、それを言うなら、従来の水力発電は更に少ない(ほとんどない)のですし、供給の安定性はその運転の大がかりさ、難しさを考えると逆に問題です。

日本国内のマスメディアは充分にその真の、内包する危険性や事実そのものを大きく、真正面から取り上げようとせず、どこか為政者や行為者よりになってしまっています。何より、現政権や遂行者たる公務員とその組織に対峙して批判する姿勢に欠けているのです。もっと、大胆に、何度も、伝えるべき真実を見据えて報道してほしいのです。だまされている民衆があまりに多すぎます。