「報道特集」の”いじめと闘う少女” ― 2006年12月24日 22時13分56秒

今日の報道特集(TBS)はお父さんが中国生まれだという”理由”でいじめられて転居、転校した少女のケースでした。でも、それは”口実”であり、何か他と違う、そして標的になる”理由”を探した結果の事件であったはずです。
内容はほんとうに酷いものです。小学生がどうして、そんなことを平気でするのか、それに対してどうして学校で適切な対処ができないのか、なぜ相談や対策後にさらに陰湿化して悪化するのか、今の状況を作り出しているのはなんなのか、何より、どうして、他の子供たちが味方をしてやれなかったのか、それが腹立たしく感じます。そういった子供たちを育てているのは他ならぬ親であり、住民であり、私たちです。
現在の社会の存立状態に基本的な問題があります。優勝劣敗、といえば聞こえはいいのですが、現実は他人を追い落とせ、蹴落とせ、負けたらおしまい、が端的な基準にさえなりつつあります。それが日本人の集団的退行傾向に拍車をかけ、力を振るう側ではなく、何も持てない弱者に向かってしまいます。もともと、そうではなかったはずの私たちの祖先は、とりわけ長期の徳川支配下の身分固定(上を見るな、下を見よ)社会でのとげ抜き、牙抜きにまんまとはまってしまった結果とその形を変えた延長の明治以降の心理的支配によってあまりに弱くなったのです。卑屈で、卑怯で冷酷な心がその意志を持ったとき、いじめはどこにでも現れるのです。もっと、私たちが私たち自身の心の内実に迫るべきです。
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