円の価値を上げる2008年10月08日 21時12分10秒

ミドリヒョウモンのメス
以前の記事で伊藤隆敏東大教授の論を引き合いに出しましたが、実際、円はずっと以前に経済実態に基本的に合致した価値を為替レートで示したこともあり、その値に少しでも戻すこと、あるいは現在の適正価値を見いだすべく調整されるべきであることを考慮しなければなりません。平均株価の値下がりで騒いでいますが、実質的な状況として適切な価値の反映となっているのならその上下に右往左往してもしかたありません。円自体は本来、経済活動だけで決まってくるのではないはずだからです。

主要通貨に対して、軒並み連動する形での「円高」ですから、日本一国がどうこうしてもどうなるものでもないのです。また、企業が換算レート、為替レートを勝手に想定したり範囲を決めたりして対応するというのも元から間違ったやりかたなのです。むしろ、少し前の「円高」水準をさえ、維持する方向、あるいは高める方向で対応していたら数円の上下であわてたり、売れなくなるなどとあわてる必要はなかったはずです。必要なのは、日本の経済活動の波及と効果を強め、社会の価値を高め、それらの実態を円の価値として為替水準を適正に保つことなのです。安くうれない、とか、言う前に、原材料の輸入や調達、生産と販売の転換を考えないのは愚かです。

また何週間かぶりにミドリヒョウモンに出会いました。飛び方が、ハタハタとしてときとして滑るように羽ばたく様はその特徴です。晴れてその姿は薄まってしまいますが、まだやってきてくれるだけ幸いです。チョウのように、行き来する、あるいは飛来するのはごく自然です。同じく、一方通行で「もうける」ことにばかり眼を向けているばかな企業人ももう少し目を見開いて広い視野で見つめ、より長い目で物事を捉える姿勢や態度が求められます。

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