法に則って、とは何か2008年10月07日 21時40分11秒

ノブドウ
今日の国会の委員会での質疑応答では、麻生首相と舛添厚生労働相の二人の連続した場面を夕方のニュースで見ました。志位氏が、派遣の期間満期での配置換えなどによる派遣延長を質したのに対し、首相は『法に基づいて』、舛添大臣も『法に基づいて』と繰り返しました。でも、問題なのは、その法を使ってそう(違法)ならないように見かけ上、また実質交換として異なる職場や仕事を期間を区切って割り振ることにあるのです。これらはまさに、『法に基づいて』行われるので、厚生労働省は指導も勧告も告発もできません。

派遣で働いた経験のある方ならよくわかると思います。そして、その不法行為を外部に告発したり労働局などに申告したりすると、間違いなく、解雇されます。でもそれさえ、派遣の業務終了だとか、他に充足できたからだとかいったもっともらしい、実はことばだけの虚偽説明で正当化されているのです。そういったことを後で申告したりしても、実際のところ、臆病で企業よりの無能で腰の引けた労働局の役人は何もしてくれません。それどころか、そんな違法行為をした会社側を擁護することさえ堂々といってのけます。

法の精神とは上記とは全く異なります。そもそも、労働者派遣法自体、違法な立法です。法に基づく、とか、法に則る、というのは実定法の細則をそのまま適用したり「使って」いくことではありません。法が法としての実効を示しうる、強制しうるだけの論理と正当性を持っていること、それが法の存立を法たらしめるだけの意味を法としてもつことは必要条件です。でも上記の例は言うまでもなく、立法そのものに当初から疑念と誤りを指摘されていた法で運用するのは出発点から無理があります。実際には効果のまったくない無意味な制定法など不要です。今すぐ廃止し、そもそもの始まりである雇用実態自体をなくすことに一丸となって取り組むことこそ、世界でも恥ずかしい労働の姿を変えることにつながるはずです。

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