リビア解放記念日2011年10月24日 11時31分07秒

解放宣言
昨日はリビアの暫定評議会によりリビアの解放が宣言された日でした。今朝のニュースで時差の関係で報道されたわけです。ニュースの中で女性が涙を流しながら祝っていましたが、またまた私も思わず涙がでたのです。重苦しさ、ちょっとしたなんでもない、些細なこと、気まぐれ、思いつき、そういった考えられない、取り上げてはならないことで人々の命が奪われた、と証言されています。いえ、大衆の面前、目の前でそうやってほとんどどうでもいい理由で処刑されてきたのです。そんな、憎むべき独裁政治と恐怖政治からの解放は何にもまして喜びであった、その日を祝わずして何を祝えというのでしょうか。

この日本でもまた、本当の、心からの自由な発言、言論、行動、そういったものが時として、いえ、しばしばなにがしかの忌まわしい「権力」や「暴力」によって奪われることがあるのです。でももちろん、自由と民主主義の国であるこの日本では決して許されることではありません。あらゆる恐怖からの自由、思想・良心の自由、互いを慈しみ思いやる真の意味での豊かな心、これらは本来私たちがその共同体としての歴史の中で培ってきた財産だったはずです。もちろん、その名を借りて、たとえば弱者や意見などを異にする人を区別したり排除したり虐待したり蹂躙したりすることなどは許されません。でも基本的にそういった支え合う精神こそなお必要とされるのです。

日常的な抑圧はまたこの小さな町でも行われています。その象徴としての午前11時半のある特定の歌手の持ち歌を拡声器で流す強要があります。誰もが自由に声を出し、批判し、変えていく、そんな当たり前の環境をいまだ造れないでいるこの社会の貧しさや情けなさに慄然とする瞬間さえ感じさせます。リビアの人たちが禁止されていた歌を解放の日に斉唱したとき、ほんとうの歌を人々の心に自由という精神の象徴として受け入れた、と思います。でもこの町のその歌はそれとは正反対の、私権や暴力の象徴でさえあるのです。

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