残された種 ― 2006年05月12日 19時32分57秒
いつの年も変わらない季節の変わり目は路傍の花にも訪れます。そして、その開花の終わりと結実が次の繁殖を担うのです。田んぼの畦には賑やかに4月半ばから在来のタンポポが咲き乱れていましたが、今は風に任せるときです。ちょうど、田植えとそれに伴う畦刈りも終わって、残された種が舞う時期になったのです。年々、繁殖域を侵食され数もへってきているのが気がかりです。それもこれも、春だけでなく、ほとんど年中、咲いては散らすセイヨウタンポポの旺盛な活動のせいなのです。
農家の人たちも、住民も、あまりタンポポを気にかけてくれません。在来種は現実の危機にあるとされ、その保護はもっと考えられるべきです。しかし、現状を伝えることさえ、充分にはなされていません。というより、セイヨウタンポポと日本の在来タンポポの不釣り合いな混在さえ、一般にはよく知られていません。同じタンポポとしてしか見ない人たちが多すぎるからです。
問題なのは、植物の植生自体、ほとんど気にかけられていないことです。農業生産はすでに生産と収入の手段となり、それ以外の土地は住宅、道路、はたまた、特定の遺跡や施設のためなどに排他的に利用され、特化して元々そこにあった自然や環境が奪われてきています。人間のため、生活のため、ならどんどん破壊してよい、そんな暗黙の了解が命を奪い続けているのです。
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