なぜ非対称に2009年02月22日 18時15分01秒

水路の河口
用水路の海への出口、つまり河口付近はおそらく川ならみられたはずのなだらかに広がる砂地の出口ではありません。もう20年か30年になるこの平野(扇状地)の中央部を流れている川の海岸付近の付け替え改修(ねじ曲げ)工事で従来の自然な流れは失われています。その当時、川は海岸に平行に流れていて、海沿いの一方(北側)は切り立ち一定しない河岸となっていました。付け替えて両岸はすでにコンクリート護岸にされ、海に直結となり、そのせいで出口は逆に狭まりいつも砂が盛り上がる状態です。つまり、これとは逆の姿なのです。

これもまた、「自然」のなせる造形ともいえなくもありません。一方の東側はいかにも河口付近、といった平坦なスロープで水量にまかせた川岸の形態ですが、その対岸が崩落を伴う砂の崖が海岸段丘から続いています。ここもまた、最近(数ヶ月前)コンクリートでトンネルとその上を改修していますから、ここだけが残された形を保っているわけです。大川の北側だった海岸沿いは打ち上げる砂による海岸段丘を為していましたから、この対比は垂直に移動させた不思議さを見せてくれています。

どちらも人工的な改変が生んだ障害であることに変わりはありません。何がそうさせたかは誰の目にも明らかです。無理と力の反作用が生んだあだ花ともいえるでしょう。一目見て、工事者や計画者、設計者、はたまた推進者、要望者がわかっても反省も後悔もみられない、そんな土地と風土への無言の批判と告発なのです。町民、とりわけ若い人たちや子供たちが学んでくれたら、そして声を上げてほしいと願わずにはいられません。

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