何のために2008年03月11日 20時12分58秒

海岸裏の水田周辺水路工事
誰が、は解っても何のために、どうして今そこに、と思われることが多く行われています。たとえば、写真のような水路工事(看板には灌漑排水工事)があります。ずっと以前に他の地域でパイプを使った灌漑排水工事を含めた土地改良が為されています。そのため昔からの水路は消えました。写真の場所ではコンクリートながら細い水路があって、それを利用した田圃への給水・排水(つまり「灌漑」)が行われてきました。

必要性と必然性、適時性と相応性がなければその意味や作為に理由がありません。それらを満たしているのかどうか、またそのために何が得られ、何が失われるのか、その費用対効果はどうなのか、そういった諸々を事前に検討してアセスメントを行う、そんな手順や計画があったのかどうか、工事の様子をみていていつも疑問を感じさせるところです。

離れた場所でゲートボールをしている人たちもいます。でもそこに、それ自体にどれほどの目的や意義を見いだしうるでしょうか。これもいつも疑問を感じます。田畑はどんどん、休耕を含めて失われてきています。一方で今回の農薬餃子事件による中国からの輸入の停止で食糧事情や物価がひどいことになりつつあります。それで中国自身、困ることさえあるわけです。他方、日本人はこれを機会に農業を含めたあり方を考える必要に迫られています。でも本当に求められているのは何なのか、それを根本から考えていないように思われるのです。

何のために、誰のために、何故、そういった疑問を封殺してしまうようなことだけは避ける以上に阻止しなければなりません。なにより、私たち自身の存立にさえ、関わってくることだからです。

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どちらに罪があるのか2008年03月12日 20時16分52秒

小山のヤマガラ
このところの事件や不祥事には責任回避や責任転嫁が目立ちます。自衛隊のイージス艦の事故、新銀行東京の危機、中国餃子事件、など数え上げればキリがありません。問題なのは、実行者・直接の従事者が悪いのか、それとも監督責任や計画立案者、あるいは本来訴追すべき立場の者たちが悪いのか、ということです。

自衛隊・防衛省の対応は航行時も含め、ひどいものでした。いまだ、なすり合いの姿勢が消えていません。東京都の対応も、元々の言い出しっぺが全く責任を取ろうとはしていません。テレビで議会のやりとりをみましたが、知事以下、よくこれで、と思わせるところです。中国はことさら、責められるべきでしょう。世界に向けて、堂々と虚偽の「事実」を声高にし、日本に原因があるかのような言いようです。嘘で固めた発表を国内向けには完全に信じ込ませているのです。本当に、信じられない。

環境を破壊する行為、景観を台無しにする作為もまた、同じです。工事をする者、した者、余計な看板を立てた者、邪魔な建造物や醜い物体をおいた者、確かに彼らは第一義的に罪を負うべきでしょう。でも、その計画者、立案者、あるいは要求した者たち、そういった彼らがいなければ実行行為はなかったはずです。同じ以上に、重い罪を背負うべきです。その一例はオウム真理教の事件でしょう(麻原彰晃=松本智津夫の罪は一番重い)。

一番の問題は、そういった事実とその関係や全容を明白に知らしめられていないことです。前者の事件・事故しかり、各地での環境破壊しかり、です。そして、そういったひとつひとつを一般の人たちがよく知ろうとしなかったり疑問や反発を抱かなかったりする現実こそ、さらに重大で今すぐに改めなければならない問題なのです。

遅い春2008年03月13日 19時37分40秒

ふきのとう、とうがたった
気温も15℃ほど、南風も吹いて春かな、と思える最近ですが、歩いてみても本当の春にはまだまだです。咲いているのはウメぐらいで、芽吹いてもいない木々が目立ちます。周囲の草も枯れ草で、冬枯れの風景の支配的な野山を見ているとこれからいつになるのか、生活のままならない現状をも思いやると憂鬱になります。

うちの田んぼの先にふきのとうを見つけました。割にたくさん出ていたのですが、これはちょっと育ちすぎた(とうがたった)ものが多く、優越している風景とはちぐはぐな印象を受けます。その一方で鳥たちは去る方が多いようで、寂しい早春の光景でした。

卒業シーズンでなおさみしさを思うこの頃ですが、何もかもが少なくなっている現実の姿を目の当たりにするにつけ、人々の心の貧しささえもが際だってきているように感じられて仕方がありません。創造や形成、構築や進歩とは全く逆の社会の風潮や状況をそのままこの町も体現するようにあちこちでむしろ破壊や後退ばかりが著しさを増しているのです。

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ネズミたちの饗宴2008年03月14日 20時08分44秒

私の家は古いせいか、ネズミが棲みついているのです。夜、時に静かになるとあちこちでガサゴソ、ガリガリ、カシカシカシ、といった動き回る音、囓る音が聞こえてきます。

以前はハツカネズミが多かったのですが、最近はどうも他の種類、クマネズミ、ドブネズミなどが出没しているらしいのです。今晩見かけたのは茶色(褐色)のつよいネズミで、ハツカネズミの色とは異なっているように見えました。どこから紛れ込んできたのか、ともかくも駆除しなければなりません。

蔵のネズミはねっとりとくっつくねずみ取り(もちとり)で数匹、米置き場で捕獲、駆除できたのですが、どうも母屋では隙間や穴が各所に空いているようで、なかなか神出鬼没で設置も考えなければなりません。ともかくも、当分、彼らの夜の饗宴が続きそうです。

シロバナタンポポ2008年03月15日 20時15分36秒

シロバナタンポポ2輪
すでに記事にしましたように、タンポポ(もちろん、在来種)は陽当たりのよい場所にたまに咲いているわけですが、きょうは南の段丘の田んぼの畦にシロバナタンポポが合計、数えた限り、24個体咲いているのを見つけました。

満開で、この開花の早さはこの種の特徴でしょうか。どれも白く目立ち、きれいで印象的です。ちょうど3月半ば、春らしくなってきたとはいえ、まだウメぐらいが目立つ程度です。田んぼにはタネツケバナやハコベの類がいっぱいですが。でも今日は北風で最高で13.5℃、これからです。

園芸種・人工栽培種を除けば、この色はタンポポ中では総花序の様子と合わせて、異形でしょうか。学名の albidum はまさにその色を見立てたもの、その起源と地域分布が気になるところ(興味を引くところ)です。

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休日の風景2008年03月16日 20時20分01秒

モズの雄と雌、タンポポの総包
午前中は曇っていましたが昼前から晴れてきて、弱い北風ながらも16℃まで上昇、穏やかな日和となりましたがまだ春本番とはいかないようです。小さなハコベやタネツケバナ、オオイヌノフグリは咲くものの、冬枯れの目立つ道が続きます。

駅の近くの道端、またシロバナタンポポを見つけました。3輪、別々の場所で、その他にはセイヨウタンポポばかり、そのせいか、総包はすこし反っています(写真下参照)。昨日の段丘斜面の群生とは異なります。一部入ったのでしょうか。上の写真はすぐそばでとまっていたモズの番いらしきオスとメスです。西からの太陽で明るい山の下、何を狙ったのでしょうか。

運ぶ役割の鳥たちと運ばれる側の草花とではその環境変異に差が出ます。固着性の植物にとっては現代はなお生きていても育ち辛い環境ですから、自ずとその生長に自己防御的な側面よりも侵食されうる方が多いのがその変異の最大の原因と考えるのが適切でしょうか。

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円高は歓迎すべし2008年03月17日 20時14分04秒

最初のツクシ
きょう、田んぼの畦に土筆(つくし)が出ているのを見つけました。2カ所、3本です。ようやく、春も動き出したか、と実感できますが、まだ北風は冷たく感じます。でも、最近の円高、というよりドル安はドルに冷たいのではなく、いい機会と捉えて円高を暖かく歓迎するといいはずです。

決まって、報道は「円高」のデメリット(短所)を喧伝しがちですが、今のはドル独歩安に因るのですから、今の内に企業・市場はその状況とバランスに慣れておくべきでしょう。むしろ円の価値を高めるための体質強化と製品の高付加価値化を目指すか、日本の経済や価値をより高める工夫と振興に力を注ぐべきなのです。それに、実質実効為替レートで見れば3月で106円ほど、決して高くはありません。

東大の伊藤隆敏教授(日本銀行副総裁を拒否された人)などはこれをレートの数字だけを見るのではなく、たとえば日米のインフレ格差をもとに見るとか、上記の実質実行為替レート(日銀のページで)で知るべきと述べて、何も高くはない、とされています。他の主張は別にして、これは当を得た正当な見方だと思います。

テレビや新聞でもっと消費者サイドに立った報道を望みます。輸出企業の単純な為替差損や売値の上昇ばかりを言い、それで打撃を受けるとかばかりを声高に叫ぶのはバランスを欠いています。原材料の大幅な値上げがあるなら、それを凌ぐ製品・商品を作り、本当の日本の価値を高める活動に注力すべきなのです。その上で、為替レートを云々したらよいのです。でも、私たちにとっては基本的に円の価値の上昇は大いに歓迎すべきなのです。

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ハヤブサ出現2008年03月18日 20時19分04秒

一羽の隼(ハヤブサ)
標高100mにも満たない小山に足を伸ばしてみました。車道があり、上にはタンクが2つどかっと設置されています。いまその塗装にきている連中がいるようですが、人の姿をまだ見かけていません。それより今は花もなく、この小さな森には数種の小鳥たちの声だけが響いています。

ゆっくりとそんな中を登って頂稜の道にさしかかってきたところ、北の方角でやかましくわめいている鳥がいるので振り返ると、ハヤブサが一羽、東をみています。そのすぐそばで向かい合いながらぎゃあぎゃあわめいていたのはカラスでした。どちらも攻撃を仕掛ける風でもなく、にらみ合うだけの様子です。互いをよく知っているのでしょう。

湖の地域では猛禽類がしょっちゅう現れるとのことですが、内陸にはいっての山の、しかも低山では珍しいかもしれません。よく田圃の上をチョウゲンボウが飛んでいるのを見つけることもあるのですが、他のこの種のはめったにありません。帰りにはどこかに飛んで行ってしまったようでもういませんでした。

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偏ったNHKのニュース2008年03月19日 20時12分58秒

One sided---と言うべききょうの夜7時のNHKのニュースでした。日銀総裁の同意をめぐる報道ですが、伝えたのは自民党の側の声と経団連などの偏った見方だけです。本来の順序なら、まず、野党あるいは民主党の主張を出し、それに対して反論を自民党・政府側から取り、それらについての見方を賛否両論で示すべきでした。

最近のNHKはこの日本銀行総裁人事だけでなくどうも政府よりあるいは与党よりの伝え方が目立ちます。他で優れた特集や番組を流しているのに残念です。国民の多くがNHKを一番信頼しているわけですから、こういったある種の「偏向報道」は改めるべきです。かつての、戦時における御用放送に戻ろうというのでしょうか。

日銀総裁はNHKの米国からのコメント通りではなく、問題なのは民主党などの言うとおり、その独立性と中心性にあるのです。もちろん、経験と識見は必要です。でも蹴られた理由が明白なのに、首相をはじめ『わからない』をそのまま自然であるかのように取り上げてまるで野党の側に責任を転嫁させるのは卑劣な手法です。事実を報道する、という基本姿勢に戻り、公平で公正な立場で、というより、むしろ、いえ、逆に与党や政府に対する毅然とした反論や批判を中心に据えた報道をつよく望みます。

土砂崩れ防護柵2008年03月20日 20時34分47秒

形だけの防護柵
ずっと以前に自動車専用道路の建設予定のルートになっている場所で山々の木々を伐採している写真とともにその愚かさを指摘しましたが、今日久々にその下にやってきてみましたら、その伐採された木を使って土砂崩れ、あるいは崩壊の防護柵をしてあるのを見つけました。

はげ山になれば当然、大雨や大雪で斜面が崩れたりずり落ちたりするのは目に見えています。建設のはるか前から伐採して放置してあるのも馬鹿みたいですが、崩落や地滑りの防止や受け止めのためにするにもあまりに中途半端なやり方です。こんな(写真)小手先の方策で止められるものでもなく、ましてや、この上に道路を造るのはかなり無理を感じさせます。

しっかりと根の張った木々や植物のある山の斜面でもときに地滑り・土砂崩れが起こり得ます。そうまでして、急な斜面の多いルートに無理矢理道路を敷くのはばかげています。本当のところ、そんな必然性を、とりわけ山側を通す道路の建設を推し進めるのは横暴でしかありません。生活道路でもなく、なぜ、今なのか、どうして大切な山や土地、いえ、周辺の環境を破壊する自動車専用道路など通そうというのか、まったく理解できません。田舎の景観もほとんど台無しになるでしょう。この地域の将来は暗いとしか言いようがありません。

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