咲くや悲しき野茨2009年05月16日 22時41分08秒

開き始めたノイバラ
去年の今頃はこの山の北側の空き地・荒れ地の周辺は野茨の芳しい香りが漂う暖かな風景がありました。でも今年はそれはありません。小山の北側の舗装道路の北側の、わずかですが残っているそのノイバラはまだ開き初めて間がない、そんな風情で横にも廻ってもいなくて、ただ上に伸びています。そんなわけで匂いもまだまだで、ここを通るとかつてはこもるぐらいにあったその香りも消えています。

重機と人の意図的な、恣意的な目的の前に花々は為す術もありません。固着性の植物ですから、失われてしまってはもう、戻りません。時としてアスファルトやコンクリートの割れ目などから、あるいはそれらを持ち上げるように伸び出てくる強者もありますが、もと居た彼らの姿ではありません。この地域一帯を襲うのはなにも風雨や豪雪だけではありません。緑を奪う、押しつぶすその怪物のような、生物や心ある者から見ればまさに異様な化け物のような力です。暴力、それで表せるでしょうか。

潜む醜悪さや欲望、幼児性や無知蒙昧はその歯止めを自ら奪い、その牙や毒は小さき者達や日陰で生きている者達に容赦なく襲いかかり生きる力を奪おうとするのです。何が彼らを怪物に変え、なぜその伝染を食い止めることができないのでしょうか。自己統制、自律、自己認識、そういった本来あったはずのものがどんどん消されてきています。自らの崩壊を待たなければ直らない、止まないまでに悪化し危うくなっているのです。何をもってすれば気づかせることができるのでしょうか。