維持ではなく新生を2011年06月18日 11時00分00秒

蛍の光2
石原伸晃幹事長だけでなく、その父親である石原慎太郎東京都知事もまた、「現在」の日本経済の維持のために原子力発電に代わるものはない、かのような発言をしています。代替エネルギーではまかなえない、というよくある主張ですが、そこに根本的な誤りを指摘しなければなりません。今回の大震災でわたしたちは何を学んだでしょうか。何を感じ取ったでしょうか。現状、いえ、過去のやり方や構築物、対策、仕組みでは何も防ぐことすらできなかった、その一点だけでも、すでに石原ファミリーの発想や思考では(同じく財界や自民党の)やっていけない、という認識や覚醒に至らない浅はかな視点にもはや未来はないのは自明です。

とにかく、原発はすでに過去の技術なのです。そして、いまだ未完成の、いえ、安全性はもちろん、経済的にも全く成り立たない遺物であることを一般の人たちははっきりと理解したのです。このまま運転を継続することも、新設もあり得ません。どうしようもない放射性廃棄物の処分には気の遠くなるような時間と労力とお金がかかるのです。よく言われる原発の3つの大問題、廃棄物・安全性・経済性、どれをとってもとても社会的に許容される発電方法たり得ないのです。福島第一原発の事故の賠償金だけでも兆のお金がかかります。そして二度と戻れないかもしれない、そんな土地を造ってしまったのです。

最初は苦しくとも、私たちはその持ち前の工夫とやり方で新たなエネルギーシステムと大電力に頼らない社会システム・仕組みを構築していかなければなりません。今までの仕組みや方法では立ちゆかない、その事実を自然から突きつけられたのです。ここで何もわからない、目覚めないとしたら、それこそ、日本経済の維持どころか、日本自体、なくなってしまいます。大転換とこの地震国に生きている、というはっきりとした認識を新たにすべきです。単に復興を図るだけではない、新生を目指すのだ、という強い気概をこそ、政治家たちにはもってもらいたいのです。今こそ、新らしい世界の主導者となる絶好の機会なのです。