タンポポの行方2011年06月09日 20時45分51秒

これからのバラ
生きるために生きている植物を使う、それは目的が手段を正当化する、という一例でしょうか。入院中に読んだ新聞に、小学生がタンポポの種を福島県に送り、セシウムを吸収させて刈り取ろうという話がありました。フィトレメディエーション(Phytoremediation)のひとつで、まだよく調べていませんが、選択的に取り込む割合が高いとのこと、それはそれでいいのですが.....。

国内の多くに今や支配的になりつつあるのは、萼が下向きにめくれている見るからに見苦しいセイヨウタンポポです。この種は確かに大量に取れますが、これを使うのはわたしは賛成できません。というのも、このセイヨウタンポポはいわゆるクローンで増えるタイプであり(高校の生物の教科書にもあります)、季節の見境なく蔓延るのです。放っておけば確かに増えて吸収してくれるかもしれませんが、後の始末や面倒を見なければ大変なことになってしまいます。

在来種は今でも残っています。わたしの住むこの土地でも数種、山あいや鉄道沿線にさえあります。他にも、田んぼの畦などにも残っているのもあるのですが(いくつか種を保存してます)、その生存や継承を危ぶませることになりかねません。これは日本固有のタンポポの種の保存にとって脅威となり、種でしか増えない在来種の保護と育成は焦眉の急となっているからです。小学生にも区別できますから、このあたりを考えて行わないと、ただでさえやっかいなセイヨウタンポポをややもすると人為的に増やすだけでなく、現実的には放置される割合が高くなり、放射性セシウム(137Cs)を却ってばらまくことにもなってしまうからです。