匂い立つ精気2009年10月12日 20時32分12秒

マルバグミの花
ある近所の家の傍にも植わっているのですが、写真は海岸近くの数本のマルバグミの内のひとつです。10日ほど前から匂うようになり、その強く引きつけるような香りに虫だけでなく、ヒトである私も惹き寄せられたのです。この色香のような、でも麻布のような黄味がかった少し暗めの卵色の花は命を伝える大切な入り口です。誘われるかのように近づき入ってくるさまざまな虫たちもその匂いをそれぞれに感覚器官で受容しているのでしょう。

ユリの花の匂いに似ているのですが、それは美しさとしとやかさとりりしさを併せ持つその姿と違い、このマルバグミはそれ自体が生きる力に満ち溢れています。葉も裏銀でなにやら活力と力強さをそのしなやかな枝に実らせていて、実際に切ってもまた生えてくる生命力と生長の精力はいつも歩く私にもなにかしら与えてくれるところがあります。人生、百年、と新たにいわれているそうです。こういった木々や草花を見ているとそんな気持ちにもなるものです。

歩くことが体だけでなく、脳にも単なる刺激以上に活力・精力・生長力の源や潤滑油のような物質の生産と活性につながるとの話を読みましたが、まさにそのとおりと実感させられることはたびたびあります。自由に闊歩し、五感を働かせ脳を活動させる、それが命の持続と若々しさに不可欠なのです。そうして受容するばかりや習得・追従の次第に低下するばかりの積み上げと完成に過ぎないところからの転換と生産的な活動への進行・進化に変わっていくのです。