歴史に盲目な米国の前国務次官 ― 2007年07月04日 21時25分11秒
NHKのニュースで流されたこの米国の前国務次官(Robert G.Joseph)は、記者会見で質問に答えて平然と原爆投下をほかの人々の命を救うためになったし、戦争を終結させたのだ、と述べました。現在、それで核不拡散特別大使をやっているというのですから。とんでもない誤りです。とんでもない暴論です。
原文は米国務省のページにあります。 問題の部分は、
And in fact, I think that most historians would agree that the use of an atomic bomb brought to a close a war that would have cost millions of more lives, not just hundreds of thousands of allied lives but literally millions of Japanese lives.ですが、米国の歴史学者でさえ、こんな妄言に同意することはないでしょう。とても外交を担った、あるいは担う人の発言とは思えません。まだ、久間前防衛相の方がはるかにましです。歴史を知らないのです。もともと、ボルトン前国連大使と近い、かなりの保守派だとか。それにしても理解に苦しみます。 日本政府としても、安倍首相自身が確認してから(ホームページにあるのですから簡単です)厳重に米国政府に抗議すべきです。北朝鮮のことではほとんど日本は蚊帳の外に置かれて無視されているのですから、それこそ、自国のまさに歴史上最初(で最後であるべき)の被爆の悲惨な被害をはっきりと知らしめ、その「正当性」などを政府の高官だった人に言わせないようにしなければなりません。これは、「認識」の問題ではありません。恐ろしい傲慢さであり、ひどい無知蒙昧です。物事がまともに理解できない人なのです。
私たち日本人が見くびられ、見下され、本音ではいてもいなくてもどうでもいい、そんな存在とみなされている現状に怒るべきです。私たちは、原子爆弾の実験台ではなかったはずです。私たちもまた、歴史を知り、学び、考え、事実を伝えるべきです。
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