瑠璃色の飛翔 ― 2009年05月10日 20時20分10秒
訪れる参道に至る、車道の平面はいかにも恰好の庭園なのか活動的な運動場なのか、ここには虫たちが集まってきたり飛んできたりします。トンボも含めて、木漏れ日と静かな雰囲気の中、飛翔体となって躍動する彼らの行く道はそのまま私の捕まえる足の進む方向となっていたりするのです。今日はその中、青い何かが目の前を飛んでいるではありませんか。数メートル飛び降りる、その繰り返しのところ、消えたあたりを探します。
いかにも地味な、草と土の混じったような色合いのハンミョウでした。羽を閉じたその姿からは飛んでいるときの見事な瑠璃色は見えません。それでも、このニワハンミョウは私の興味を惹くに充分だったわけです。ハンミョウはとまってもとてもきれいで目立つのですが、これは道では溶けてわかりません。でも秘めた色は何かを伝えるための青なのでしょうか。
幸せを願う、そんな心をさえ躍らせるかのように、私の気持ちも運んでほしい、それこそが今の姿を映し得たのです。誰もが時として、いえ、しばしば祈る思いで見つめ遠くを見やる心あればその光の先の明日も見えてこようというものでしょう。深くなる緑と命の輝きに囲まれて、なお希望だけは失うまい、そんなあたりまえの思いを誰に奪えるでしょうか。決して現在の瞬間瞬間の、そしてその連続の、未来を、その機会を、私たちは誰にも渡してはなりません。
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