樋の上のカマキリ ― 2007年07月02日 19時57分51秒

雨の上がった後、ふと見上げると、納屋の庇の樋に小さなカマキリがいました。そのシルエットだけでわかる典型例ですが、その特徴的な姿はかなり小さく、まだ生まれてそう経っていないと思われます。なぜ樋の上にいたのか、どうしてその端をとっとっとっと端から端まで走り抜けるのか、よくわかりません。
何かのはずみで登ったか、落とされたかで樋の切っ先に置かれて困ったのは間違いなく、その後は屋根の、また端をつたい、向こう側まで走るのです。降りられずに困って下を向いてぎゃーぎゃーなく猫と違い、声を出せず、誰かを頼ることもできず、ただ、「端」をつたう、それは必ず、この「世界」、今いる場所には終わりがあるのだ、という信念に基づいた行動であったはずです。
我々もまた、物事には必ず終わりがある、終わりが来る、と信じてするものだといえます。とめどもなく、いつまでも、砂をかむような生活を続けられるはずがありません。どこかに、降りられる場所がある、最後に安住・安寧を得られる、そう信じて歩むことこそ、今を生きる一つの支えでもあるはずです。コメント
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