坂の上の雲 ― 2009年11月29日 20時10分48秒
今日は最高でも10℃少し、と寒々とした曇り空でした。それでも山は色づきを残して秋を私たちに告げようとしていました。葉はかなり落ち、冷え込んだ山の中から里に鳥たちも下りようとしています。そんな一種がエナガです。暖かな陽射しの早朝などにも降りてきて囀り、枝から枝へ、木から木へとはねるように移るのですが、寒くてじっとしていられない、そんな時間はない、といった様子です。
NHKで今日から始まった(BS-hi)司馬遼太郎氏の『坂の上の雲』ですが、やはりというか、当初から疑問を呈されていたとおり、どこか変な感じや空気を漂わせるところがあります。なぜ、司馬氏がこんな小説を書いたのか、私もまた疑問を感じるところがあるのです。ただ、ところどころにおいて、見過ごしてはならない、忘れてはならない勘所のようなものはあるのです。第一回でしたが、日本が明治維新を経て進もうとしたその気概溢れる時代の空気は少しは表現されていたと思います。
かつて造ろうとした新しい日本の姿形、その社会をさかのぼって鑑みるとき、私たちは現代の荒んで希望を失いがちな閉塞的な状況さえ漂う社会の誤りや衰退する不文律、人の道、あるいは、ドラマの中で高橋是清先生ののたもうたごとく、奴隷にはならない、その幸運だけでない、強固で譲らないその精神を売ってはばからないかのような情けなさ、弱さ、卑怯さ、醜さ、そういったものを敢然とした態度で退け、元の姿を取り戻し、さらに確固として新たに打ち立てる、そんな、まさに明治に大きな力となっていた気概を持たねばなりません。崩壊、衰退、消失から私たち自身を救うために。その意味で見ると、このドラマも小説もそれなりに価値はあるのかもしれません。
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