水辺の無い田畑2008年10月06日 20時43分23秒

ジュズダマ近影
この地域では「土地改良」なる耕地整理もどきが進んでしまっていて、もう昔ながらの水路や水利は見られません。ほとんどの田んぼがポンプによる給水を行うただの田んぼのみ、になっています。それが便利なのは確かでも、命の水を大切に、命の元に使うという態度や心はもうありません。ただの水の供給手段でしかないのです。また、用水路もコンクリートで造った水路で、ほかには道路のそばの側溝やそのまがいものばかりです。

したがって、たまにあるのは三面張りのコンクリートの溝にすぎず、そこに生き物、とくに水生生物や水辺を大切な生息場所としている動物たちはほとんど姿を消しています。代わりに埋まっているのは従来なら見られなかった強い「雑草」だったり汚い「もの」だったりします。所々にはまだそれなりの植生を見つけることもできますが、珍しくなっています。そんな中、今日の写真のようなジュズダマは最近では本当に珍しく、思わず足を止めて撮った次第です。

けれども、昨日の記事でも言及したように、このままでは生物がどんどん、数も種類も減ってしまいます。とりわけ、上記のように、水辺で産卵・生長する生き物たちが眼に見えて少なくなってきているのです。心配されているのはチョウだけではなく、特にトンボやカエル、水生生物、その元となる水草や藻でしょう。飛び交うトンボはめっきり少なくなり、雲のようにさえ見えていたウスバキトンボもそんなに目立たなくなりました。いうまでもなく、植物の姿も徐々に変わり始めていて、このままいったい、どうなるのか、危機感を抱いているこの頃です。

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