デフレ脱却ことさらに喧伝2013年08月15日 19時39分52秒

終戦の日はいつ?
甘利経済担当相は消費者物価指数の数値プラス化を挙げ、また6月の失業率も3.9%だとして(何の関係もないのに)デフレーション状況はなくなりつつある、と表現しました。輸入に頼る電気・ガスなどの値上げにより押し上げられていて、それらを除いたら横ばいだ、としながら、消費の上向きと見かけの輸出増をその根拠としています。いかにも、無理矢理、との印象を拭えません。インフレターゲットを設定して物価の上昇により企業業績の上向き傾向を作りだそうとしても、そこには明かな誤謬があるのです。ただ、NHKにしても、他にしても、その真実や事実を適切に、あるいは正しく伝えているところはありません。

以前にも言及したように、私たち一般の生活を支える給与や年金、生活費の低水準化など基本的な収入・支出のバランスは未だに、いえ、これからも取れる状態にはありません。そもそも、下支えするべき人々に、260万の失業者(3.9%とはそいういうこと=総務省統計局)が無収入でいるのに景気は自律的に回復、などとはいうべきではありません。給与も上がらず、生活の時間的な部分も含め、余裕のなさを考えればなおさらでしょう。変動幅の大きな食料品など、ある水準以内でおさまる程度でないと生活は誰にとってもままなりません。

必要なのは生活の安定が社会としてその仕組みや枠組みの中で図られること、そして維持していくことです。それには、あらゆるコストを低減させ、余計な支出を消すことです。物価が上昇傾向にあればいい、などと脳天気なことを発言する大臣に経済を「再生」させることなど、ましてや、「新生」をはかるべきことは頭にはないでしょう。同じことをいくら繰り返しても、限りある社会・地球を考えれば無限の成長や高水準化をもくろむのはあまりに愚かだと言わざるをえません。どのような社会や経済の形態が望ましいのか、いまだからこそ、誰もが考えなければなりません。物価上昇を本気で喜ぶ庶民がどこの世界にいるのでしょうか。

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