夕刻の交差点2013年12月25日 18時52分12秒

ある信号機
まだ日のある明るい夕暮れ、ある交差点でみた風景です。おわかりでしょうか。確かに、赤信号ですが、その色は白に近いのです。少し物理的に考えれば分かりますが、太陽光によってその強さから赤いLEDの光量を遙かに上回る多色により白に近く見えるのです。光の三原色は等量混合でまっしろになります。そこから考えれば直ぐに分かるはずです。

これはまた、ひとつのアナロジーとしてとらえることもできます。真実は真っ赤で、真っ赤な嘘ではないのに、他者の多くがそんな色違いを並べ立て、その声や数にものを言わせて言い立てれば、たとえ黒でも白戸なり、赤も緑も黄色もなくなってしまう、ということを意味しています。恐ろしいですよね。何が言いたいかというと、本当のことは違っていても数が多ければ正しい、と言いくるめることができる、ということです。多数は正義、ではなく、また、正しさは多数決で決まるのでもありません。

昔、12人の怒れる陪審員、だったか、そんな白黒映画がありました。アメリカの話でしたが、1人だけ、異論を唱え、少しずつ、他の人を説得し、納得させていく過程を描いたものです。議論や反論、検証、論証を経て、その現実、いえ、真実はどこにあり、誰が裁かれるべきかを問うた名作です。多数の嘘や暴論やでっち上げもまた、真実の前にはひれ伏すのです。理性と人間性に基づく、論理と正しい倫理が無実の人を救い、社会正義が実現されるのです。

交差点、というのは、その分かれ道なのですね。

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