野茨の美しさ、その陰に2011年05月27日 08時40分00秒

野茨の花
数日前から朝の行き帰り、川縁からのいい香りを楽しんでいます。その香りは、ノイバラ(野茨)です。今は園芸品種のバラも多く咲いていて、近所の前庭のかなりの数の鉢植えのバラも見事に花をつけて静かな落ち着いた夜にはとてもいい香りがします。でも、わたしはこのノイバラの芳香をより好みます。漂うその誘いはどこか詩的で可憐な乙女の姿を想像させます。もちろん、棘があり、何度も痛い思いをしましたが(実在の女性ではありません)その白く純粋な存在に惹かれるのはわたしだけではないはずです。

だれしも、いえ、わたしはなおさら、そんな清純さをいつまでも、と願わずにはいられません。さまざまな感染症を蔓延らせたのは何が原因だったでしょうか。人々を、決して女性だけでなく、傷つけ、あるいは死に追いやったのはなんだったでしょうか。AIDS患者は過去最高を記録した、と発表されています。実数はさらに多いはずです。増え続けるのはその証拠であり、隠れた感染者が後を絶たないからです。これもやはり、留められるのは教育をおいてほかにはありません。

人類の命をかけた闘いの末に勝ち取ってきた「自由」の意味をはき違えてしまっている現代において、その命を奪う病や理不尽さをわたしたちはどうやって潰えさせることができるでしょうか。一方で蹂躙し、一方で野放図な濫用を見て見ぬふりをしてきた人たちにその責任を問わねばなりません。本当の自由、決して恐れない、怯まない自由をその礎として、また人類の敵となりつつある社会の病理とともに病にたちむかわなければなりません。

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